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FXのダウ理論とは
ダウ理論とはチャールズ・ヘンリー・ダウ氏というアメリカ合衆国のジャーナリスト・証券アナリストが提唱した理論です。
私自身は証券アナリストの意見を参考にしないタイプですので、いくら発案者のダウ氏であれ証券アナリストは基本的に信用しません。
ただ相場分析や考え方では参考にしている部分もあり、知っておいた方が良い知識も多いでしょう。
チャートはすべての事象を織り込む
ダウ理論は簡単にいうとファンダメンタルを含めて全てチャートに現れるという考え方です。
私自身もこの考えには賛成であり、経済の勉強をするよりもチャートの分析をした方が早いと思います。結局のところニュースや世界情勢によって値段が動くのではなく、あくまでそれを聞いた参加者が判断をして売買するのです。
すなわち参加者が価格を動かしているのだから、いくらニュースや世界情勢について学んだところで、そこでどう世界中の投資家たちが判断するかまでは分からないのです。
よってチャートの動きのみをみて判断した方が、大衆の心理状態を分析しやすいのです。
テクニカル分析があればファンダメンタルズ分析は必要ないという考えです。
三種類のトレンドがある
三種類のトレンド
主要トレンド→1年から数年のサイクル。
二次トレンド→3週間から3か月のサイクル
小トレンド→3週間未満のサイクル。
これを細かく覚える必要はありません。大切なのは価格は大きな流れに沿って動くという事です。短期トレードであっても上位足を見た方が良いという理由はこれになります。
短期トレーダーなら主要トレンドまで見なくてもいいとは思いますが、二次トレンドが下方向の時に小トレンドが上方向であった場合、基本的にはまだ下方向へと価格が進むことが考えられます。ちょっとした調整局面で上昇しているのであり、その後下がってくる可能性は高いと言えます。そういった場合の短期トレードは特に気を付けて行うべきです。
三段階の主要トレンド
先行期→市場全体の価格が下落している時に買い時だと判断した少数の投資家が底値で買う時期。ここで買える投資家が一番有利な価格でエントリー出来ます。
追随期→底値から上がったことを確認した投資家たちが追随して買いを入れていく時期です。価格はすでに上昇しています。
利食い期→先行期に買いを入れていた投資家が売り抜けます。上がっているのを見て初心者が買いを入れてしまう事もあります。
これらの主要トレンドを見るとどこで買ったらいいのか一目で分かります。やはり先行期で買い、利食い期で売るのが一番有利な稼ぎ方が出来るのですが、底の判断を出来るかどうかがポイントです。この先行期で買いを入れるなら、逆張りの思考が必要でしょう。
よくあるトレンドフォロー等の手法は追随期で買うものです。ですから利食い期までの時間がすぐに来てあまり利益が残らないという事も多いのではないでしょうか。ましてや利食い期で買ってしまう初心者投資家も多いでしょうし、今チャートがどの主要トレンドにいるのか判断しておくことはとても大切になります。
トレンドは明確な終わりを示すまで継続する
この概念を理解するために簡単な上昇トレンドと下降トレンドの見分け方を解説します。
上昇トレンドは安値を切り上げて高値を更新していくものとされています。しかしこの図を鵜呑みにしてはいけません。安値を一旦切り下げてからもう一度上昇していくという事は良くあります。特に短期トレードでは図のような綺麗なチャートだけが出現するわけではないので注意しましょう。ただ全体の流れとして上昇トレンドはこのような形になります。
下落トレンドは高値を切り下げて安値を更新していくものです。
こちらも一旦高値を切り上げて下がるという事は良くあるので注意。
上昇トレンドでもなく下降トレンドでもないものをレンジと言います。
上の画像ではドル円の月足にそれぞれのトレンドを当てはめたものになります。
下落トレンドなら高値を切り上げたとき、上昇トレンドなら安値を切り下げたときにトレンドの転換となります。
転換後に売買するだけでもかなりの勝率になるのではないでしょうか。
こちらはドル円の一分足です。こちらも同じように転換のポイントにラインを引いてみました。一分足だと転換後に一旦戻して転換というパターンが見られます。転換後に売買すれば必ず儲かるというものではないことが分かります。
先ほど話した先行期で売買するには転換する前に売買する必要があります。
底や天井を見極めることが出来ればより有利なエントリーが出来るでしょう。
考察
これらの理論を知っているだけでチャート分析がとても分かりやすいものになります。もちろん騙しがあるのでこれらの考えが必ずしも当てはまるわけではないという事は頭に入れておきましょう。
しかし一番重要な点は先行期で売買する事の重要性だと考えます。多くのサイト等で紹介されているダウ理論での売買は、転換後やトレンドフォローといった後出しで取引する追随期でのトレード手法があまりにも多く出回っています。
確かに多くの投資家は上がってきたところで買うという事が多いです。やはり上がっているという事実を見てから取引することは心理的に安定するのでしょう。
ですから多くの投資家は利益が少ない不利なところで取引をしてしまいがちです。
このダウ理論を理解したからと言って稼げるようになるというわけではありませんが、この基礎的な考えを知っているかいないかでは大きな差になりますので、しっかりと理解しておきましょう。
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